韓国の文在寅大統領が、同国が不法占拠している竹島(島根県隠岐の島町)について、「日本の帝国主義による侵略によって最初に犠牲になった」と述べ、日本が「自身の領土だと根拠のない主張」をしていると批判した。
さすが、日韓関係を最悪の状態に追い込んだ張本人だけはある。とんでもない妄言だ。発言をそっくりそのまま文氏にお返ししたい。竹島を侵略して「自身の領土だと根拠のない主張」をしているのは、韓国の方である。
真実を知らないようだからお教えしよう。
竹島は歴史的に一貫して日本のもので、韓国の主張に根拠はない。遅くとも17世紀初頭から、日本人は漁業の中継地などに利用してきた。証拠となる過去の文書や地図は多い。明治38年に竹島を島根県の行政区画に編入した当時、どの国からも抗議はなかった。国際社会も日本領と認めていた。
先の大戦後、日本が連合国に占領されていた時期に、韓国が竹島の領有権を主張したが、米政府は昭和26年8月、ラスク国務次官補の書簡で竹島は日本領との認識を韓国に伝えている。同年9月調印のサンフランシスコ平和条約も竹島放棄など認めていない。
ところが韓国の李承晩政権は27年1月、沿岸水域の主権を唱えようと日本海に「李承晩ライン」を一方的に設定し、竹島をその中に含め日本の漁船を拿捕(だほ)するようになった。同条約発効(27年4月)により日本が主権を回復する直前の仕業である。
島根県や海上保安庁が28年6月に上陸して領土標識を建て、たむろしていた韓国漁民を退去させた。だが、翌月には竹島に上陸してきた韓国側の官憲が海保の巡視船を銃撃する事件が起きた。29年8月には、巡視船が約200発もの銃弾を浴びた。
北方領土の占拠はスターリンによる国家犯罪だが、竹島占拠は李承晩によるそれである。韓国は、軍が訓練した武装警察部隊を置き、軍事演習も重ねている。
8月25、26日の韓国軍の竹島演習について、米国務省が「生産的ではない」と不快感を露(あら)わにしたのはもっともだ。
文大統領は被害者意識が強いばかりに自国が加害者である点が分からないようだ。史実に学び、竹島を日本に返還すべきである。